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「通関士試験」ってどんな試験?〜いつ開催、何教科、合格ラインは?〜

いざ通関士の仕事に興味をもっても、
・試験の難易度はどれくらい?
・年に何回開催されるの?
・合格するにはどれだけ勉強すればいい?
たくさん疑問は湧いてきませんか?
筆者も受講前に不明だった点を、網羅的に解説していきますね!

そもそも通関士ってどんな仕事?

国際物流で欠かせないのが、輸出入申告。
これらの申告が許可にならないと、貨物を輸出・輸入することはできません。
この通関申告には、インボイスやBL、アライバルノーティス、輸出・輸入申告書類などあらゆる書類が必要になります。
通関士は、申告書類の作成や審査、他法令の確認など、専門的で煩雑な仕事を行う、国際物流では欠かせない職業なのです。

ちなみに、この輸出入申告書類は通関士の資格がなくても作成することができるのですが、書類の審査を行えるのは、通関士の資格を有し、通関士登録を行った者だけなんです。

【通関士試験の概要】

ここからは試験の概要について説明していきますね!


貿易業界で唯一の国家資格
通関士資格は、貿易業界で唯一の国家資格なんです。
貿易関連資格といえば、『貿易実務検定』や『通関士実務検定』、『日商ビジネス英語検定』などがありますが、『通関士試験』のみ、法律に基づいて国が定める機関が試験を実施しています。

出題範囲


実施教科は、以下の3つのみです。それぞれの分野の法律知識を問われる問題がほとんどです。


-通関業法
-関税法等
-通関実務

それぞれを簡単に解説すると、、、


-通関業法
「通関業法」
←通関業を行う上で必要な知識。
たとえば、あなたが通関業を行いたいと思った場合、満たさなければいけない要件や守らなければいけない法律について知っている必要がありますね。
この教科では、どんな人なら開業ができるのか、どの場合はできないのか、通関士の設置のルールなどが問われます。

-関税法等
「関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(以下、「関税法等」)」
←申告価格に必要な関税や、申告価格の割出し方、そのほか他法令についての問題です。

-通関実務
「通関書類の作成要領とその他通関手続の実務(以下、「通関実務」)」
←文字どおり、申告書類の作成方法など が問われます。輸出入ともに大問1問ずつが出題され、実際に税番(HS CODE)の割出しから、申告価格の計算などを行います。その他重課税などの計算問題や、HS CODEにかかわる問題などが出題されます。
※3教科の中で、この通関実務が一番の難所です!!

合格基準

3つの教科をそれぞれ、60%以上の得点が合格基準だと言われています。
-通関業法
-関税法等
-通関実務

3つの教科をすべて、60%以上得点する必要があるので、2教科で高得点をとっても、
1教科が60%が満たせず、合格できない、、、ということがよくあるパターンなんですね。
特に、3教科目の実務試験がクセモノなんです…!


試験の難易度

合格率は10〜20%程度といわれています。
合格率が6~7%程度の社労士や、合格率4~5%の司法書士試験ほど難易度は高くないものの、しっかりとした準備や勉強は必要といえます。


試験科目の一部免除

通関士試験では、通関業務従事年数により、一部の教科で免除を受けることが可能です。

対象者:通関業者の通関業務 または 官庁における関税その他通関に関する事務に従事し、下記年数に該当する方

※ただし、単なるパソコンの入力など、自己の判断を必要としない業務は、対象には含まれません。詳しくは、税関ホームページをご覧ください。

従事年数が通算5年以上

免除科目:通関実務

従事年数が通算15年以上

免除科目:関税法等、通関実務

通関士試験科目の一部免除について(税関ホームページ)

https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/shiken/8009_jr.htm



試験の時期



1年に一度のみ、例年、10月の第1または第2日曜日に開催されます。
開催回数が少ないがために、通関士試験はなかなか合格できないと言われる要因のひとつなんですね。
違った見方をすれば、勉強開始時期によっては、じっくりと準備期間を設けることができますので、法律理解にたっぷりと時間をかけ、後半は計算問題や過去問に時間を割き、ラストスパートをかけていく、といったスケジューリングも可能です。



通関士試験の受験資格


受験資格はありません。年齢や学歴要件、実務要件、国籍の要件もないため、どなたでも受験することができます。
受験要件がない点が、通関士試験の魅力のひとつといえます。

【通関士試験の勉強法】

どの試験でも共通していえることだと思いますが、どの分野でも過去問で試験対策を行うことが、一番の合格への近道だと思います。
その過去問ですが、なんと、税関ホームページで無料で公開されているんです!

https://www.customs.go.jp/index.htm

無料で過去問と解答が掲載されています。

また、関税協会のホームページでは、過去の試験で出題された問題の傾向を確認することもできます。
それぞれの出題内容の、勉強ポイントも記載されているので、そちらも要チェックですよ。

https://www.kanzei.or.jp/


必要な勉強時間

一から勉強を始めた場合、400〜500時間の勉強が必要といわれています。
毎日2時間の勉強を継続した場合、4~6ヶ月程度の日数が必要となります。

通関士試験のまとめ

  • 試験開催日は年に一度だけ
  • 誰でも受験できる
  • 難易度は5〜20%と少し高め
  • 合格には、300〜400時間の勉強が必要


おわりに

いかがでしたか?
通関士試験の概要についてご案内いたしました!
試験には受験要件がないため、貿易業界に興味があるひと、いつか働いてみたいと思っているひとには、足掛かりとしてチャレンジしがいのある試験だと思います。
興味が湧いた方は、ぜひ税関のホームページや関税協会のホームページなどものぞいてみてください!

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